津波・高潮

|和歌山県|南海地震の記憶と伝承が息づく町

Bell

アーユーボーワン!すべての命に。今年は大丈夫かな?と自分でおもってしまうほどにエンジン全開であちこち動き回っております、ベルです。今年最初の訪問地は大分県だったんですが、先週も九州(熊本県)だったので、1月末にたずねた和歌山県の自然災害伝承碑をブログします。

碑名|津波到達地点

なんとも珍しい碑名です。その名も「津波到達地点」なんですが、名前の通り到達地点でした。こちらは現地に行って見回すと、すぐに場所がわかります。到達地点が黄色く太い線と大きな文字で示されているのでわかりやすいです。

概要
碑名津波到達地点
災害名昭和南海地震
(1946年12月21日)
災害種別地震・津波
建立年不明
所在地和歌山県東牟婁郡串本町串本
伝承内容昭和21年(1946)12月21日、午前4時19分に発生したマグニチュード8.0の昭和南海地震の影響で串本町では、死者9名、行方不明者5名、家屋の全壊200戸、半壊67戸、流失50戸、浸水6,000戸等の被害となった。この地震で津波は碑の基部より3.4m高い黄色の線まで到達した。
制限事項

現地で見えてくるもの

わたしたちは現地に行くことを大切に考えています。それは現地でしかわからないことがたくさんあるからです。これまでにもお伝えしているのでクドイんですが、やはり現地に来ることはとても大事だなと今回も思いました。

人の心がみえる

何をいってるんだい?と思われるかもしれません。ご存知のとおり人の心は目では見えません。しかし、人が心に思ったことは行動に現れることは多くの方が理解されているのではないかと思います。

人の心は行動や痕跡に現れるものです。例えば、電車で席を譲るなどの親切な行動からは、その人の優しさや思いやりを表していると感じませんか?

今回の和歌山県串本町でも、ここに津波到達点を示した先人の後世への思いを感じました。ああ、こんなに海が近いんだ、ああ、山があっても簡単に登れる傾斜や山肌じゃないんだ、、、逃げ場がないから早く行動しないといけないんだな、、、現地に行けばいろんなことがわかります

現地では津波到達点よりも高いところに津波避難場所が設けられていました。写真はその場所から撮ったものです。写真に見えている道路沿いには短い間隔で同じような津波避難場所が設けられていました。その様子に並行移動する暇などないことが理解できました。

先人の心が、いまを生きる人の心にも届いているんですね。すばらしいです。

地域の心がみえる

インターネットで見れるグーグルマップやグーグルアース、国土地理院地図などでも海と山が近いことは把握し理解できていました。しかし、それでは実感を伴うことができないんです。安全な温かい部屋の中でパソコンで見ているものと、現地で見る景色は同じではありません。

ふだん海のある地域で暮らしていないベルにとって、海が近い地域には見たことがないものがたくさんあります。観光EYEで見ると見逃してしまうかもしれませんが「防災EYE(愛)」で意識してみると見つけることができたりします。おお〜、これはすごいと思いました。

その他にも、津波のリスクがある海が近い地域では防災標識の多さを実感します。ただ、、、それは地域性が現実としてあることも実感しています。自治体はやはり財政も関係してくるので仕方がない現実はあります。それを何かの、誰かのせいにする前に、自分ができることを。自助はやはり大切だなと思います。

和歌山県串本町のすばらしい取り組み

この装置があった和歌山県串本町にはたくさんの自然災害伝承碑が登録されています。今日の2025年2月13日現在、17基です。すべてが津波、昭和南海地震(1946年12月21日発生)を伝えるものです。そう、いわゆる南海トラフ地震です。

今回紹介しました「津波到達点」以外の自然災害伝承碑は、2019年に建立されています。自然災害伝承碑というと、昔むかしのものというイメージをお持ちの方が多いのですが、近年に建立されているものもあります。

「うちの近所にはないから大丈夫ってこと?」とお尋ねされることもありますが、自然災害伝承碑がないから大丈夫ではありません。あっても登録されていないもの、見つかっていないものもあります。

また、いま現在なくても、その地域で過去に災害の記録があるのであれば今のためにも、未来のためにも新しく建立をすることも大切な災害伝承の活動です。

和歌山県串本町の取り組みは素晴らしいなと思います。

さらにすごい、串本町の取り組み

串本町のホームページには実際に昭和南海地震の津波を経験した方々の証言が掲載されています。どうか、ぜひ、(なんでもつけたい)読んでみてください。

体験者の方の証言を読んで、いまの暮らしがどれほどに幸せであるか、この一瞬一瞬を大切にしていきたいと思いました。

そして、地震の後には津波がくる、と知っていた人の逃げる行動の速さや「津波が来るぞ!」と声をかけていた人がいたこと、「津波はまだ来ない」と言われても自分を信じて逃げたことなど、いろんなエピソードに触れ「知ること、知るだけ」であっても心構えとして持っておくことの重要さを感じました。

ぜひ、和歌山県串本町のホームページにある記録を読んでみてください。こちらから

おまけ

和歌山県串本町は本州最南端の町なんです。というわけで行ってきました!

到着した頃に曇り空になってしまいましたが、景色は最高です!海がでっかい〜〜〜〜!!!と思いました。ぜひ、行ってみてください!おすすめです☆

あっというまの2月も半ばになりました。
流されるように時間を過ごさぬよう一歩ずつコツコツとがんばります⭐︎

ちいさなことからコツコツと。( By 西川きよし 師匠 )

ベルでした!

ABOUT ME
ベル
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災害伝承ラボのX係
災害時に役立つバンダナと帽子がわりのパトライトがお気に入り。 災害伝承のこと、自然災害伝承碑を巡る旅と防災の情報をXで発信係です。
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