洪水

埼玉県|水塚のある公園にて

Yui

こんにちは。結(Yui)です。友人のベルちゃんと一緒に自然災害伝承碑をマップにピン建てしていくプロジェクトを一緒に行っています。

修堤紀功碑

2023年1月29日(晴れ)

突然ですが皆さん、埼玉県富士見市の難波田城公園をご存じでしょうか。こちらの公園は難波田城の城跡を整備した城跡ゾーンと、古民家ゾーンがあります。お城と聞くと私は山上にあるものを想像していたのですが、こちらのお城は平城(ひらじろ・ひらじょう)でした。なので行ってみて”ええ?これが城跡?”とビックリしました。今まで考えたことありませんでしたがお城には確かに山上にあるお城と平地にあるお城があるなあ、とこの時改めて考えました。ちなみに平城は京都府の二条城や静岡県の駿府城もありますね。

さてこちらの公園ですが古民家ゾーンにはその名の通り、古民家が並んでいます。こちらの古民家は家屋内まで見学することができ、昔の人の生活様式などが見れて興味深かったです。是非こちらものぞいてみてください。そしてその古民家たちの裏手に今回の「修堤紀功碑」の碑はあります。こちらの公園の近くに新河岸川という川があるのですが、この川はかつて伊佐川と呼ばれて、荒川の支流の一つでした。江戸城を建城したことでも有名な太田道灌が川越にお城を築いた際にこの川に堤を設け、それ以降川は舟運でにぎわいました。しかし川は霖雨(りんう)*にあう度に氾濫を繰り返し、何度か堤も修堤されました。しかし天明丙午の洪水でまたもや決壊してしまいます。そうして紆余曲折を得て明治41年に大改修がなされました。それを記念した碑となります。

*霖雨…長雨のこと

水塚(みづか)

さてここには水塚(みづか)と呼ばれる塚が古民家の脇にあります。このように土を盛って塚を作り、この上に土蔵などを建てて中に備蓄をし、洪水に備えていました。いざ洪水になったりしたらこちらへ避難するのです。またこれらの塚の周りには杉やケヤキ、モチノキなどを植えて塚を風から守ったようです。

水塚って初めて見ました。昔の人の知恵ってすごいな~と思いつつ、こういうものって全国にあるのかしら?と気になってきました。Wikipediaを見てみると、このような建築様式は洪水被害の多い場所にあるようなので全国にありそうです。しかし水塚と呼んでいるものは主に荒川や利根川流域のものだそうです。

参考リンク

・Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%A1%9A

・国土交通省関東地方整備局ホームページ:https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00258.html

おまけ

こちらの公園は先に書きましたが、平城の難波田城の城跡があります。公園として整備されていてお堀の跡があるぐらいでそれほどザ・城っぽいものは無いのですが、この平城が気になって調べてしまいました。戦国時代より前は山城が多く築かれていましたが、世が落ち着いてくると平城が多く築かれるようになったようです。それはお城の役割が動乱の世では軍事的要素が大きかったことに対して、世の中が落ち着いてくると政治や経済の要素が大きくなってきたからだそうです。確かに落ち着いた世の中でわざわざ山を登って参上するのは大変ですし、多くの山城は山上までの道が狭くなっていますから登りにくいでしょうね。平城であれば山城よりも城下町を作って経済を発展させることに向いていそうです。

難波田城公園内の古民家ゾーンにある古民家

人の生活ってこうやって時代背景と共に変わっていくんだなと改めて感じました。結(Yui)でした。ではまた~☆

参考リンク:

Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9F%8E

刀剣ワールド城(ホームメイト):https://www.homemate-research-castle.com/useful/16927_tour_008/

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一般社団法人 災害伝承普及協会
「みんなの心をつないで防ぐ」をコンセプトに活動しています。防災における災害伝承の大切さを発信しています。自然災害伝承碑の探訪を通し、石碑に残された先人の思いやりの心をいつも感じています。防災のことや心理学の事を発信しています。
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