|伝承スキルUP|市民防災講座で印象に残ったこと②
京都大学 市民防災講座 について
この講座は、2013年4月からJR西日本の寄付講座として京都大学大学院 社会基盤工学専攻内に設置された講座です。主な取り組みの中に「市民講座を通した防災意識の発揚があって、特に力を入れて取り組んでいるそうです。これまでに、西日本の15府県で開催されていて、のべ5,291人が受講しているそうです。
講座の情報は「京都大学 市民防災講座」のWEBサイトをご覧ください。
過去に開催された講座の情報もあります。
このブログは「京都大学 市民防災講座で印象に残ったこと②」です。前回の「〜印象に残ったこと①」はコチラからご覧いただけます。
講座のテーマと内容
今回の講座は「土砂災害に備える」がテーマでした。
内容はこちらの案内チラシをごらんください。
印象に残ったキーワード 〜講演から〜
京都大学防災研究所 流砂災害研究領域 中谷先生 のお話で、ハザードマップの危険区域は近いけど、入っていないから安心って思っていたんだけど、ベルの家は安心とは言えないかも・・と考えれるようになりました!
解釈が間違っていたら大変なので、
ベルがメモしたキーワードをリストにしています!
- 「災害」と定義されるには何らかの「被害」(人的・物的)が発生している
- 大きな土石流でも被害がなければ単なる「土砂移動」(自然現象)
- 小さな土石流でも被害が生じていれば「土砂災害」
- 災害は人間社会と密接に関係している
- 最近は豪雨による土砂災害で立木の流出による被害も発生している
- 土砂だけでなく流木による被害の対策が求められる
- 林業が盛んで森林整備されているところでも発生している
- 立木による土砂災害防止の期待もあるが豪雨では流木化する可能性
- 森林があることはプラス面もマイナス面もある
- 土砂災害では流木被害も発生すること理解した対策を
- 土石流と違う、土砂・洪水氾濫
- 土砂・洪水氾濫、土砂に埋もれても窓ガラス割れていない
- おだやかにジワジワ土砂が溜まる(土砂・洪水氾濫)
土砂・洪水氾濫もすごく怖いなと思いました・・。
土石流との違いがイマイチつかめなかったので調べてみました!
「土砂・洪水氾濫とは」 (国土交通省WEBサイトより)
日本の砂防技術は世界でもトップと言われるほど高い!
知らなかった!「SABO」砂防は世界共通語!
- 土砂災害がある国では「TSUNAMI」と同じく世界共通語
- 土砂災害は法律で定義されている(「土砂災害防止法概要」国土交通省WEBサイト)
- がけ崩れ、地滑り、土石流、明確に違いが定義されている
- 3つが複合して発生する場合もある
- がけ崩れは、崩れ始めてからの時間が短く、人家の近くで発生すると人命失われる
- 地すべりは、動きだすと止めるのは困難、移動量が多く、甚大な被害がでる
- 土石流は、水と混合すると流動性高くなる、時速40Kmで動くこともある
- 巨礫や流木は土石流の先端に集中
- 土砂・洪水氾濫とは衝撃力が全然ちがう
- 土砂災害、1982年の観測開始以降、2018年は最大の発生件数、3,459件
- 土石流は発生件数に対して人的被害が大きい
2018年の土砂災害の発生件数の多さは衝撃でした。。。
国土交通省のプレスリリースに情報がありました。
全国各都道府県の発生件数は、ぜひチェックしてください。
平成31年3月28日: 国土交通省 水管理・国土保全局砂防部
「平成30年の土砂災害件数が確定しました」へ
- 谷出口が地下水路(暗渠)になっているところ、災害時は殆どが詰まる
- 地下水路(暗渠)が扇状地につながっていることを住民は理解しにくい
- 扇状地について:「谷の出口につくられる堆積地形」(国土地理院WEBサイト)
- 大雨のときには土砂災害が発生することがある地形
- 地下水路がつまる(閉塞)するので道路上を移動する
- 砂防堰堤、治山施設などでも、施設下流の出口は地下水路(暗渠化)が多い
- 2018年、東広島、施設の出口が詰まって道路に土砂、流木が流出している
土砂災害の防災対策は、ハード対策とソフト対策!
- ハード対策にもさまざまある
- 砂防堰堤(さぼうえんてい):「砂防堰堤のはたらき」(国土交通省 北陸地方整備局)
- 遊砂地(ゆうさち):「遊砂地の仕組みと役割」(国土交通省 福島河川国道事務所)
- 床固工(とこがためこう):「床固工・護岸工」(国土交通省 関東地方整備局)
- 流路工(りゅうろこう):「流路工の仕組みと役割」(国土交通省 福島河川国道事務所)
- 土石流減勢工(どせきりゅうげんせいこう):土石流ブレーカー(砂防鋼構造物研究会)
砂防ダム、も聞いたことがあるんだけどな・・・
砂防ダムと砂防堰堤はちがうのかな?
ベルちゃん、それ、ダム好きのベルパパに聞いてみたよ!
「ダム」は定義があって、水を貯めたり、水量を調節するのが目的のもので、高さが15m以上だと「ダム」なんだって。
土砂災害を防ぐのが目的の「砂防ダム」は「ダム」の定義に当てはまらず、「砂防堰堤(さぼうえんてい)」というのが本当の言い方。
つまり、砂防ダムも砂防堰堤も同じもの。
そうなんだ!あ〜スッキリした〜。
「ダム」は15m以下だと何ていうのかな?
砂防堰堤も高さによって言い方の違いがあるの?
わからないこと、いっぱい出てきてすごいね。
ベルママも知りたいし、ベルちゃん、調べてみてくれない?
そして、調べたことをブログにまとめてみるといいかも!
OK!まかせて!
ちょっくら、調べてみるね。ブログしたらお知らせしますっ!
- ソフト対策はハザードマップなど、構造物によらないもの
- 避難
- 警戒情報
- ハザードマップ:「ハザードマップ使い方」(国土地理院 応用地理部 地理情報処理課)
- 土砂災害の発生タイミング予測は未だわからない
- 河川の氾濫水位は見えるが土砂災害は見えない
- 気象情報、避難情報などから判断をするしかない
- 構造物によるハード対策、避難情報などのソフト対策は行政による公助
- 自助も重要
- 日本では十数万の土石流危険渓流が存在し、多くの人が警戒区域内で生活
- 警戒区域は地形条件(勾配)、災害履歴、現地調査を基に設定されている
- 警戒区域の中でどこが相対的に危険か、安全か、までは示されない
- 警戒区域の設定は1つの土石流シナリオを想定して設定されている
- 想定と異なる状況の豪雨などで土石流が発生することもある
- 実際に1つの沢から複数発生するなど想定外は発生している
- 大雨や土石流の発生で地形は変わる
- 警戒区域の周辺、下流側も危ないということがいえる
- 土石流シュミレーションは詳細な危険分布がわかる
- 災害が発生しても被害を小さく、再建がしやすく、など、無害化の検討
- 適切な防災対策の提案が可能
- すべての土砂を防ぐのではなく、どうすれば安全に暮らせるか
たくさん印象に残った中で、いちばんドキッ!としたのは、
警戒区域の周辺、下流側も危ないといえる、でした!
ベルの家は、警戒区域まで数十メートル。
今回のお話を聞いて、大雨、長雨、豪雨、のときは、これまで以上に警戒して、躊躇なく避難するぞ!と決めました。
ベルの家では「宿泊施設避難」を楽しむ派なので、避難時に安全なところにあって、安全に行ける宿泊施設を探さなくていいように、いまから調べて決めておこうと思います!
ちょっと感動した透過型砂防堰堤の仕組み
ご講演の中で砂防堰堤のひとつ「透過型砂防堰堤」の仕組みが研究動画で紹介されました。その様子に感動〜!すごいな〜と思ったので、動画を探してみました。
少し動画が長いのですが、砂防堰堤がどういうものかがわかりやすかったので紹介します。
MBSニュースのYouTube動画です。
【特集】“透過”がポイント!土砂災害防ぐ…注目の『改良型砂防ダム』とは?流木対策に新発想(2020年9月23日)
・実験のところだけをご覧になりたい方は、2分15秒あたりからがおすすめです。
・こちらの資料は、透過型砂防堰堤と不透過型砂防堰堤についてわかりやすいです。
国土交通省 東北地方整備局「砂防堰堤の仕組みと役割」
砂防堰堤を作るにおいての「土石流災害防止対策」
ベルの家がある、熊本・南阿蘇村には沢山の砂防堰堤があります。治山工事や砂防堰堤をつくっている工事の音は山に響いて聞こえてきたりして「うるさいなぁ」なんて思ったりもしていました・・・。
今回の講演会のことをブログにまとめるにあたって、砂防堰堤のことをあれこれと調べたりしました。その中でベルは全く思い至らずに欠けていた視点に気づかせていただいた資料と出会い、いろんな人のおかげで自然と共に暮らせていることを痛感しました。
土砂災害の危険があるところに砂防堰堤を作る、それは工事をする方々にとっては常に危険と隣り合わせであるということです。資料を拝見して工事現場における危険対策がいかに沢山あって安全第一で遂行することが大変であるかよくわかりました。
貴重な資料を公開してくださっていることに感謝です。
「土石流災害防止対策について」(国土交通省 北陸地方整備局)
さいごに
京都大学 第30回 市民防災講座 で印象に残ったことを①と②、2回に分けてブログしました。ブログできるかな・・と思ったのですが、チャレンジしてみてよかったです! 自分の中で整理整頓ができ、まだ理解できていないことも把握できました。 土砂災害を防ぐには、ハード対策とソフト対策の両方が必要であることがよくわかりました。
自然豊かな日本だからこその、自然と共に暮らすためのこと。
知恵や工夫だけでなく、世界共通語「SABO」となるほどの技術。
すべてが命や暮らしを守るため。
少しでも学び、自助へとつなげたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ベルでした!