土砂災害

熊本県|あの日を忘れないために

husegu

こんにちは!災害伝承士のベルです!

前回のゴールデンウィーク前からあっという間に6月!ひえぇ〜。一年は本当にあっという間ですね笑。今日はゴールデンウィークに関西〜四国〜九州〜中国〜関西を車で自然災害伝承碑めぐり大遠征で巡った、熊本県阿蘇市の「感謝と追悼の日」を紹介します。

集中豪雨により集落は壊滅的に

こちらの碑は2012年7月12日に、1時間降水量100mm以上の集中豪雨により壊滅的な被災をした阿蘇市一の宮町坂梨集落に建立されています。

碑の概要

  • 碑名:感謝と追悼の碑
  • 災害名:九州北部豪雨
  • 災害種別:土砂災害
  • 建立年:2020年
  • 所在地:熊本県阿蘇市一の宮町坂梨1591番地1
  • 伝承内容
    • 2012年7月12日、1時間降水量100mm以上の集中豪雨
    • 一の宮町坂梨集落は壊滅的に被災
    • 土砂や石の塊が至るところで崩落
    • 民家を直撃し6名が犠牲に
    • 復旧復興支援への感謝と犠牲となられた方々を追悼し
    • あの日を忘れないために建立

現地のようす

現地へは四国・愛媛県の八幡浜港から大分県・別府へ船で移動し、くじゅう連山から阿蘇のすばらしい山並みを走行して到着しました。

主要道路沿いから見える、視界がひらけた景色がよい場所にありました。石碑の側面にある碑文には、創造的復興により防災公園の建設が進められ、完成を前に、改めて復旧復興に多大の尽力をいただいた方々への感謝の意を伝え、不幸にして亡くなった6名の方々を追悼し、あの日を忘れないためにこの碑を建立します(碑文一部抜粋)、とあります。こちらは地域の住民の方々により建立されたものです。

くりかえさないために

自然災害伝承碑のすぐ近くには砂防堰堤(えんてい)ができていました。堰堤の状況から当時の土砂災害の規模を実感することができました。

あの日を忘れないために、という地域の方々の思いと心構え、熊本県による防災公園や砂防堰堤の整備。防災は、ソフトとハードの両方が備わってこそ、その威力を発揮するものです。石碑を住民の方が建立している様子に、こちらの地域は両方が備わっているんだなと感じました。

巡ればめぐるほどに高まる防災意識

自然災害伝承碑巡りは、自然災害経験地を巡ることと同じです。全国あちらこちらと巡り続け、最近、自分の視野が広がったことを感じています。巡り始めたばかりのころは、石碑そのものや碑文に注目していて、周辺の様子や地形、地質へ意識を向けることがありませんでした。

最近は、巡る前から地形や地質を確認したり、現地では地図やGoogle Earthではわからない視点、置いてあるもの、防災標識、地域の様子、かなうならば地域の役場周辺も見にいくようになりました。

防災の備えは地域性・個別性、まずは知ることから

さまざまな物も、すべては人の手により設置されたり、管理されていたりするものがほとんどです。場所によっての違いは顕著です。海辺の地域と山間部の地域では、防災に必要はものも、情報も、大きく違います。つまり、必然的に備えも違います。

まずは、じぶんが住む地域のこと、よく行く場所のこと、を調べて知ることが大事です。

さいごに。

私たち個人や地域だけでは、大きな砂防堰堤をつくることはできません。しかし、できることはたくさんあります。知るだけでも備えの第一歩になります。小さなことでも、かんたんなことでも、地域みんなで、全国のみんなですれば大きな力になります。

先日、避難場所と避難所があることをご存知ない方がいらっしゃいました。ハッとしました。ちょっとショックでした。なんとかしないと大変なことになると思いました。

みんなのこころをつないでふせぐ、ために、何ができるか考えます。

次回は、大遠征で大失敗!夜間救急にお世話になった高知県の伝承碑を紹介します!
急な気温変化が続いています。熱中症にお気をつけて、ご安全に。

ベルでした!

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一般社団法人 災害伝承普及協会
「みんなの心をつないで防ぐ」をコンセプトに活動しています。防災における災害伝承の大切さを発信しています。自然災害伝承碑の探訪を通し、石碑に残された先人の思いやりの心をいつも感じています。防災のことや心理学の事を発信しています。
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