地震

高知県|伝承を信じて行動した者は助かった

Bell

アーユーボーワン!ベルです🔔
相棒の結ちゃんと交代番子で更新しているので6月から1ヶ月ぶりのブログです!みなさまいかがお過ごしでしょうか?とにかく暑いですね。。。気温が40℃を超える日が続いています。異常です、外にでると空気がうわっっと襲ってくるような感じがして呼吸がたちまちにしんどいです。屋外でお仕事されている方はどうかどうかお気をつけください。

さて、今回は前回の高知県を巡ったつづきです!・・・が、実は自然災害伝承碑の写真がなく、レプリカの写真になります。申し訳ございません!

本来はコースで巡る予定にしていたのですが、高熱を出してしまい、高知県で夜間救急にお世話になるというトラブル発生により、訪問できなくなってしまいました。ちょうどお昼間にレプリカを見て撮影していたので、そちらでご案内させていただきます。

南海トラフ地震・津波による被害

1854年(江戸時代|嘉永7年・安政元年)12月24日、「安政南海地震」による津波の被害を伝えています。いわゆる南海トラフ地震の津波によるものです。

碑の概要

  • 碑名:安政地震の碑
  • 災害名:安政南海地震(1854年12月24日)
  • 災害種別:地震・津波
  • 建立年:1858年
  • 所在地:高知県土佐市宇佐町
  • 伝承内容
    • 1854年の安政南海地震
    • 津波が8,9度宇佐町を襲った
    • 70人あまりが溺死
    • 伝承を信じてすぐに山手へ逃げた者は助かった
    • 後代の人よ、とにかく早く山の平らな近くに
      岩がない所を選んで逃げなさい。

後代の人よ

後代というのは、「後の時代、後世」という意味です。はっきりと後世の人へ教訓を残してくださっています。当時はカメラもビデオもスマホやパソコンもない時代です。石碑に刻み、誰でも見れる形に残した先人は本当にすごいですね。自分だったらここまで出来ただろか、、、、といつも考えます。みなさんはいかがでしょうか。

周辺の様子から宝永地震も経験したか

この石碑がある場所から、約17Kmほど内陸の高知県高岡郡越知町にある自然災害伝承碑には、1854年の安政南海地震・津波より147年前の「宝永地震」による土砂災害・地震を伝えています。

こちらは地震により、大規模な崩壊が発生したため仁淀川に天然ダムができたことにより湛水(たんすい:水がたまる現象のこと)したことから「石碑より下に家を建てるな」という言い伝えが残っています。

この石碑が建立されたのが1710年ですから、もしかすると、安政南海地震の碑を建立した先人たちはこちらの石碑のことを知っていて、後世への伝承方法として倣ったのかもしれない、、、

または、海岸に近い土佐市の地域では1707年の宝永地震により地震・津波を経験していて、当時は同じように宝永の頃に建立された石碑があり、1854年の地震・津波で流失してしまったのかもしれません。

災害伝承は視野を広げて想像してみる

想像するばかりになりますが、もしかするとそんなふうだったのかもしれないなと思いました。「津波を伝える石碑があるから、津波に注意」というような捉え方だけではなく、自然災害は同じ場所で繰り返し発生することを前提に、周辺にも枠を広げ、今に生かすために地域の枠を広げて捉えると想定を増やすことにつながり、「まさか!」を減らすことができます。

出会えばであうほどに

重ねるハザードマップで地形分類なども確認すると、さらに「まさか!」を減らすことにつながります。自然災害がその場所周辺であった事実や災害の教訓を伝えている伝承碑や古文書などに出会えばであうほどに、想定が増え、判断材料が増えていき、防災スキルUPにつながっていきます。

自然災害発生時には「判断力」が命を守れるかどうかの要になります。想像、想定で判断力を磨くことも大切ですが、全国にたくさんある自然災害伝承碑がある現地に赴き、現地で五感を通して学ぶことはとても大切で判断力を養うのにとても効果的です。

おまけ

おまけというか、メインというか、とにもかくにも、とても素晴らしい展示を見てきました。

上の写真のいちばん右手にあるのが今回紹介した石碑のレプリカです。

日本にはこのような記録が残されています。お寺の過去帳だけでなく、一般の人が書いていた日記帳もあります。現物を目の当たりにしたのは初めてでした。大興奮しました!

災害の教訓や記録、災害伝承を継承していくためには、積極的な保存活動や、みんながつながって活動に取り組むことが大切であることがよくわかりました。

1854年の92年後、1946年に発生した昭和南海地震(南海トラフ地震です)を体験した方々の証言も読むことができました。この展示を開催するにあたり、高知県内各地で収集する取り組みが行われたそうです。

体験者の証言や教訓は響きます。あぁなるほど、、、と深い納得とともにベルはまた一つ、防災スキルをアップさせたのでした!

この展示はとてもすばらしく、また来年、いや、全国巡回展をしてくださらないかな、、、多くの方がみれるといいなと心から思ったすばらしい展示でした。

さいごに

2025年のゴールデンウィーク自然災害伝承碑大遠征、高知県編はこれにて終了です。そして、高知県は再訪確定です!自然災害伝承碑がたくさんあり、とても回りきれませんでした。今年は徳島、愛媛、も巡ったのですが、次回は高知県のみで巡ってみたいと思います。

みなさまもぜひ、ぜひ、高知県へ!
ではまた来週に。
ベルでした!

ABOUT ME
ベル
ベル
災害伝承ラボのX係
災害時に役立つバンダナと帽子がわりのパトライトがお気に入り。 災害伝承のこと、自然災害伝承碑を巡る旅と防災の情報をXで発信係です。
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