洪水

|兵庫県|幼老の溺死者幾千万

Bell

こんにちは、ベルです。昨日、台湾で大きな地震が発生しました。余震も続いているのでとても心配です。少しでも早く余震がおさまり、被害が大きくなりませんように。

兵庫県尼崎市

2024年3月末に兵庫県尼崎市の自然災害伝承碑へ行ってきました。兵庫県は阪神・淡路大震災の自然災害伝承碑がたくさんあるところですが、水害の自然災害伝承碑もあります。今回訪問したのは尼崎市です。

尼崎市は人口が45万人の中核都市で、2018年には「本当に住みやすい街大賞2018in関西」でJR尼崎駅周辺が第一位になったそうです。

JR尼崎駅周辺に宿泊したのですが、駅とショッピングセンターやホテル、病院、マンションなどが直結していて、大阪駅までは電車で10分かからず、神戸・三宮駅も20分くらいで、とっても便利でした。

防災情報が充実

尼崎市の公式ホームページは防災情報が充実していました。全国津々浦々、自然災害伝承碑巡りの計画をしたりするために自治体の公式ホームページを確認することが多いのですが、ホームページで提供されている観光情報や防災情報には地域性があり、歴史や防災の勉強になります。

今回に訪問した自然災害伝承碑がある地域だけでなく、尼崎市は洪水時に浸水が想定される地域が多いため、洪水時を想定した情報提供の方法も紹介されていました。

地図初心者につき・・・

今回の訪問先は猪名川と藻川に囲まれた中洲になっている場所にありました。

碑名:溺死霊魂(元文五年水害犠牲者供養塔)

災害:洪水(1740年7月2日)

場所:兵庫県尼崎市田能五丁目(尼崎市農業公園)

ベル
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探訪の前に国土地理院地図で確認していましたが、現地に行ってみて驚いたのは、どこが中洲?というくらいに大きな中洲だったことです。徳島遠征のときも、吉野川の中洲の大きさに驚愕したのですが、こちらの中洲もかなりの大きさでした。

まだまだ地図初心者につき、自分が知りたい情報やわかることしか把握や想像ができないレベルのため、現地に行ってみてびっくり!なんてことがよくあるのです。

いちばん驚くのは、だいたいが大きさ、規模感です。これは国土地理院地図では距離や高さを把握できるツールもあるため確認するのですが、10m、50mなどを数値でわかったとて、自分が感じる感覚はやはり現地にいってみないとわからないのです。(写真の中洲が想像以上に大きかった!)

特に高さは想像とのギャップを感じることが多いです。海の近くでは、津波タワーの高さや、避難場所がある場所の高さなどは想像を超えていることがほとんどです。

今回も同様でした。

近隣の方とお話をしてみると・・・・

今回の自然災害伝承碑は、大きな農業公園(尼崎市農業公園)の中にありました。土曜日でとても天気がよかったこともあり、多くの方がいらっしゃいました。散策をしていらっしゃった方へ「こちらの石碑を探しているんですが、ご存知ですか?」とお尋ねしてみました。

写真の左は、今から約82〜88年前のものです。

探訪先でお尋ねすることは度々あります。場所がわからない、近くにいるはずなのに見つけられない・・ということが多々あるのです。しかし、これまで、ご存知の方に出会ったことがありませんでした。

それが、なんと、今回は、「ああ、それなら・・・」とご存知で、「毎日、その前を朝夕に歩いているから」とのことでした。公園のすぐ近くに70年以上住んでいる方でした。

昔は一面浸かっていた

その方は現在80代の男性で、自然が好きなので農業公園から猪名川・藻川を散歩するのが日課だそうです。浸水していた頃のお話を聞くことができました。

昔はもうひどかった。浸水するとなったら、もうそれは広い範囲で、この辺りから塚口あたりまで膝くらい水があった。

尼崎市田能在住の方のお話

お話を聞いたところから「塚口」までは、約2.5キロくらい離れていることがわかりました。そんなに遠くまで?と思ったのでスマホですぐにハザードマップを調べてみました。

ベル
ベル
赤い丸のところが訪問して、お話をうかがった自然災害伝承碑の場所です

重ねるハザードマップで自然災害伝承碑も重ねて見てみると、今でも、左下に見える「尼崎駅」あたりまで、0.5〜3.0mの浸水想定地域であることがわかりましたので、一緒に見ていただくと・・・

え〜!逃げるとこないんやな。伊丹とか豊中、吹田方面、そうか山側か。知り合いやらおらんから、どうしよう。えらいこっちゃな。

尼崎市田能にお住まいの方

ベルからは、避難情報や警戒レベルが出たときは、警戒レベル2や3での早めの避難がおすすめで、ベルも転勤族で近くに知り合いが少ないのでホテルに避難したりしています、とお伝えしたら「それええな!」と言っていただきました!

ベル
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すらすら読めたなら…

碑文がしっかり残されている際、いつも思うんです…碑文がすらすら読めたならと。今回もそう思いました。解読されたものも設置されていたのですが、それさえも難しい・・・・

昔の人が書いている言葉・漢字がもつ概念というか、イメージがどのようなものなのか、しっかりわかったらいいのになぁと思います。

もし、もし、もし、すらすら読めるよ!これはね・・・とご教示いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ、教えていただけると大変ありがたいです!

今回の碑文(原文)はこちらです。

こちらが石碑の碑文(原文)です

こちらは碑文の読解されたもの?です。

さいごに

今回の自然災害伝承碑は、小さな猪名川堤防にありました。小高く細い堤防は、樹木や竹林の中を抜けて川への抜け道として、地域の人たちがウォーキングや散歩コースとして利用していらっしゃいました。

多くの人の暮らしのそばで、身近なところで、静かに大切なことを伝え続けている「溺死鎮魂」の宝篋印塔でした。

朝と夕方などは歩いている人が多いとのことでした。道がしっかり踏み固められている様子でした。

周囲地域をハザードマップで確認すると、洪水時の浸水想定が0.5〜3.0mもある場所が広範囲にわたるところでしたので、宝篋印塔に残された災害の様子や教訓を、もっともっと多くの方に知っていただけたらと思いました。

おまけ

こちらの農業公園はお花がきれいに咲くそうです。花菖蒲がとても綺麗だよと教えてくださいました。花菖蒲の頃に訪ねてみたいと思います!

尼崎市農業公園「花だより」:尼崎市公式ホームページ

今度は奈良県に行こうと思っています!🔔ベルでした!

ABOUT ME
ベル
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災害伝承ラボのX係
災害時に役立つバンダナと帽子がわりのパトライトがお気に入り。 災害伝承のこと、自然災害伝承碑を巡る旅と防災の情報をXで発信係です。
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