災害伝承

|和歌山県|津波防災の日〜稲むらの火と濱口梧陵さん〜

Bell

11月5日は「津波防災の日」「世界津波の日」

11月5日は、日本では「津波防災の日」そして、世界中で津波に関する意識を向上させるために制定された「世界津波の日」でもあります。

日本では東日本大震災が発生した2011年に、国民の理解と関心をより一層高めるために11月5日が「津波防災の日」に制定されました。

これは、1854年(安政元年)11月5日に和歌山県広川町わかやまけんひろがわちょう で起きた安政南海地震あんせいなんかいじしんによる津波の際に、濱口梧陵はまぐちごりょうが稲むらに火をつけ、村人を高台へ避難させて多くの命を救った「稲むらの火」の逸話に由来しています。

「稲むらの火」とは

今から169年前の嘉永かえい7年(1854年)に発生した安政南海地震の際に、和歌山県広川町での実話です。安政南海地震は、当時の江戸幕府の記録によると、マグニチュード8.4~8.6の大地震でした。この地震によって、和歌山県や高知県などを中心に、日本各地で津波が発生し、多くの人命が失われています。

当時、広川町の庄屋を務めていた濱口梧陵はまぐちごりょうは、地震発生後に、村人たちが津波の危険に気づかずに海岸近くに留まっていることに気づきました。そこで、自らの命を顧みず、村の稲むらに火をつけ、村人たちを高台へ避難させました。

参考情報:NHK WEBサイト

NHKアーカイブス 災害 1854年安政南海地震(稲むらの火) (※動画もあります)

「世界津波の日」の制定

2015年12月22日の第70回国連総会本会議にて、日本をはじめ142 カ国が共に提案し、津波に関する意識を向上させるために、11月5日を「世界津波の日」として制定することが満場一致で決議されました。

11月5日は、世界各地で津波に関する啓発イベントや防災訓練が行われています。

私たちにできること

11月5日「津波防災の日」・「世界津波の日」は、津波の危険性と防災の大切さを改めて考える機会です。私たち一人ひとりが、津波について正しく理解し、万が一の際にも適切な行動ができるように備えましょう。

まずは、知ることから、できることから

私たちにできることは沢山ありますが、まずは知ることからはじめてみましょう。津波の知識は意外と知らないことが多いかもしれません。

インターネットにも沢山の情報があります。また、全国には津波について学べる施設もあります。ベルも和歌山県広川町にある「稲むらの火の館」や兵庫県神戸市にある「人と未来防災センター」に行って映像や水の動きを実際に見てきました。

  • 津波の知識を身につける(まずはここからはじめましょう)
  • 地域の津波防災計画を理解する
  • 避難場所や避難ルートを確認する
  • 津波避難訓練に参加する

参考情報:政府インターネットテレビ

津波は 早い 怖い、 避難は 早く 高く!」(※動画です)

自然災害の被害を受けた地域の復興支援にも取り組みましょう。

稲むらの火、の濱口梧陵はまぐちごりょうさんのは、津波からの避難で人々の命を守っただけではありません。村の存続のために復旧・復興に多大な貢献もしています。堤防を作ることを決心し、地域の人々に働いてもらってお金を払うことで暮らしを守ったのです。

そのときに作られた「広村堤防」は1852年の安政南海地震から92年後の1946年(昭和21年)12月21日に4mの津波がおそった昭和南海地震で地域の人たちを守り、いまも現存しています。

さまざまにある復興支援のかたち

津波に限らず、自然災害の被害を受けた地域の復興は大変時間がかかるものです。復興支援はさまざまに出来ることがあります。

被災地域にある災害伝承や防災教育・情報発信などを目的にした施設や遺構などに出かけて自然災害についての知識を高めることは、復興支援にも、じぶんの防災力の向上にもつながります。

暮らしの中での楽しみを伴いながらの行動も、津波から人々や自分を守ることにつながります。防災・減災を万が一の特別なこととしてではなく、食後の歯みがきのような感覚になるといいですね。無理なく、楽しく、少しずつ、日常の暮らしの中で取り組みたいですね。

日本遺産 〜広川町の防災文化〜

濱口梧陵さんの逸話は他にもたくさんあります。誰もが知る歴史人物も登場します。勝海舟福沢諭吉小泉八雲・・・濱口梧陵さんの逸話や情報は「稲むらの火の館」はもちろん、特におすすめは広川町に行くことです!

津波と復興の記憶、継承、防災文化の町

広川町は犠牲者の慰霊や防災意識の継承を目的とした「津波祭」をはじめとする、建造物や祭りなどで構成された防災文化ストーリー「百世の安堵」で日本遺に認定されています。

先週末、広川町を探訪し「広村堤防」「稲むらの火の館」にも行ってきました。「稲むらの火の館」の周辺は町の人たちと観光客で賑わっていました。濱口梧陵さんの本を購入して帰り、いま読んでいるのですが、心からおすすめします。

濱口梧陵さんのことを、ぜひみなさんにも知ってほしい!

来年は、広川町のお祭りを見学したいと思っている、ベルでした!

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災害伝承ラボのX係
災害時に役立つバンダナと帽子がわりのパトライトがお気に入り。 災害伝承のこと、自然災害伝承碑を巡る旅と防災の情報をXで発信係です。
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