地震

大阪府|先人からのお願い事

Yui

皆様、あけましておめでとうございます。今年もフィールドワーク頑張っていこうと思っている結(Yui)です。沢山探訪して皆さんに情報をお届けしていきます!

大地震両川口津浪記

2023年4月1日 (晴れ)

今回の碑は全国でも珍しい碑です。場所は前回の暴風水害記念誌水防碑からも歩いて行ける大正橋のたもとにある「大地震両川口津浪記」です。何が珍しいのかというとこちらの碑の保存会の方々は、碑に書いてある、ある”お願い”を毎年行っているのです。そのお願いとは何か…の話をする前に碑の基本情報を先にご紹介します。

大地震両川口津浪記

1854年12月24日に発生した安政南海地震により引き起こされた津波で、安治川・木津川等に停泊する船に避難した人々が大きな被害を受けました。実はその147年前、1707年に発生した宝永地震の際にも同じように津波が起こり、人々は船に避難して同様の被害が起こっていました。このように以前の災害からの教訓を生かせず、同じような被害が出てしまった事を教訓としてこの碑は建てられています。被害の様子や教訓も事細かく記されていて先人たちのこのような事が二度とないように、という想いが強く読み取れます。

先人からのお願い事

そして冒頭の”お願い”の話になるのですが、この碑にはなんと「願くば、心あらん人、年々文字よみやすきよう墨を入れたまうべし」という事が書いてあり、先人が碑に書いてある教訓などが風化して見にくくならないように、後の方に墨入れをお願いしているのです!そしてなんと地域の方がその想いを受けて毎年墨を入れ続けているのです。この碑の建立は1855年とのことなので、なんと1855年から現在に至るまでずっと続いているのです!本当にすごい事ですよね。見た目は墨が濃いので少し怖いような感じもしますが、この墨にはとても重要な意味があるものだったのです。

お願い事が書かれている碑

おまけ

大阪が水都と呼ばれている事を知らない人でも、大阪を歩くと川や水路が多いことに気が付くと思います。大阪市のHPには

大阪市建設局は758橋(令和5年3月現在)の橋を管理しています。

とあります。すごい数ですね。今回の両川口の「大地震両川口津浪記」も大正橋のたもとにありました。東京にもある日本橋(東京では「にほんばし」、大阪では「にっぽんばし」と読み方が違うんですよ)もあったりしてなかなかこちらも調べると面白そうです。余談ですが日本橋はベトナムのホイアンにもあります。さてそんな中本日ピックアップする橋は…「四つ橋」です。

交差点を渡っていたら急に出てきた四ツ橋跡

ん?四ツ橋って駅の名前だけど橋は無いよね?と思われた方、ハイ正解です。この四つ橋、以前は方形に4つ橋が架かっていたそうなのですが、西横堀川と長堀川を埋め立てにより橋が不要となり無くなってしまいました。ただ、この橋を偲んで跡地には顕彰碑と橋(の模型)が配置されています。”四つ橋は大阪人にとってなつかしい橋である”と案内板にあるように大阪の方には慣れ親しんだ橋だったのでなくなった後も旧名所として残されているのでしょう。橋好きの方は一度大阪へ行ってみなはれ~。
結(Yui)でした。ではまた~☆

大阪市 -大阪市橋梁維持管理システム(BMS) ~ 大阪市の橋梁の長寿命化に向けた取り組み ~: https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000011131.html

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husegu
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一般社団法人 災害伝承普及協会
「みんなの心をつないで防ぐ」をコンセプトに活動しています。防災における災害伝承の大切さを発信しています。自然災害伝承碑の探訪を通し、石碑に残された先人の思いやりの心をいつも感じています。防災のことや心理学の事を発信しています。
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